●アザミちゃん（仮名）27歳

●身長171センチ　B88（E）W57　H91（推定）

●兵庫県出身

●元都内某人気風俗店勤務⇒現在はシロウト


アザミちゃんがお店を辞めたのは約1年前の事でした。


そのお店に私は3年間通っていました。

ホームページを見て、そのお店が気に入り行ってみました。

受付で写真を見て、高身長な事、関西出身な事、大きな目、そんな彼女を指名しました。

その時、人生で初めて足コキを体験しました。

『たまらん……』

結構早くに放出した私に、アザミちゃんは優しくこう言いました。

『わあー、いっぱい出たねえ。ちょっと休憩したらもう一回がんばろか？』

にっこりと微笑むアザミちゃん。

私はまるで童貞くんの様に、

『はい』

と元気に答えました。

結局、その日は3回射精しました。



それから週に一度はアザミちゃんと会う事になりました。

残念ながら、時間限定のお付き合いではありましたが……。

3年間。

私のそのルーティンは年末年始のお休み以外、

そしてアザミちゃんが一度だけ日曜日にお店を休んだ日以外、

必ず守られてきました。

彼女が休んだその日は、彼女がお店を辞める2か月前の事でした。

店を辞める日に彼女からその理由を聞きました。

プロポーズされたそうです。

そして、アザミちゃんはお店を辞めました。

アザミちゃんの卒業と同時に私もそのお店を卒業しました。


ある日たまたま仕事の関係で、そのお店の近所に行きました。

その近辺に来たのは、約1年ぶりでした。

ちょうどお店の裏口の前を通った時です。

裏口のドアが開きました。

そして……、

アザミちゃんが出てきたのです。

『あっ！』

私とアザミちゃんの口から同時に発せられました。

『どうしたんですか？』

隣にいた私の部下は不思議そうに私の顔を見ます。

茫然と立ち尽くし彼女を見つめている自分に気付きました。

『いや、何でもない、行こう』

足早に歩きだす私を部下は急いで追いかけてきます。

後ろからはコツコツというハイヒールの音も聞こえます。

それと同時に、

『私、イギリスに住む事になってん』

アザミちゃんの声。

思わず、振り向く私と部下。

アザミちゃんはスマートフォンを耳に当てていました。

でも顔は、視線は、私に向いていました。

私は再び立ち止まり急いでスマートフォンを内ポケットから取り出し、

『はい、もしもし。あっ、お世話になります。はい、解りました。では、すぐに向かいます』

その声が終わる頃にアザミちゃんが言いました。

『3日後に出発やねん』

『例の社長さんから電話が来た。私はそちらに向かうので、ニ●ダ君は先に社に戻っていてくれ』

『は、はい……解りました』

部下の少し怪訝そうな顔。

まあ、そんな事はどうでもいいと思いました。

今来た道を戻る、アザミちゃんとの距離が縮まる、

それはこの１年間の二人の距離。

アザミちゃんとの3年間の数々の思い出が頭をよぎって行きます。

映画のスローモーションのような時間の流れでした。

アザミちゃんと目が合いました。

そして、アザミちゃんは、にっこりと私に微笑みました。

そう、初めて私が放出した、あの時に見せたのと同じように。



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